ありがとう おめでとう

ありがとう おめでとう

夕方前に久留米に到着
会場は夕暮れのななめな日差しだけが光源で
スタッフの男性が一人、ほうきで床をなぜていた
ゆっくりと機械を組み立てながら、アンプリファイドの世界へ

日暮れと共に冷え込み、披露宴帰りの人達がぽつりぽつりと会場へ
友達とぽつりぽつりと話をしながら、本番を待つ
遅れて新郎新婦が入場 新婦は天使 新郎 ひけをとらず
幸せと真珠色の疲労感がまぶしい

今日のdivaは私に連絡をよこした時、曲をリクエストしなかった
背中にみえるのは個性、純粋、旺盛な興味
それゆえに受けた悲しさ それで培われたしなやかなたくましさ
出会って、呑むようになった頃の曲を ただ無心に演奏する
日常から切り取られた空間に、緊張を通り越して日常を持ち込む
恐くなったが、私からの精一杯の感謝の気持ち

新婦の親友と合奏を
演奏を始めて数十秒でしっくりくるのがもの悲しい
女性の歌い手との合奏としては 彼女との演奏が恐らく一番いいと思う
Bメロに食い込んでいく場面で
息をのむ様な横顔をみてしまった

思い返せば同じ場所で
サイゲンジさんと御一緒させてもらった
あの頃は 今みたいになるなんて 全く想像もつかなかった
あの頃から約10年経った これから10年後は一体どうなっているんだろう
なんだかあいもかわらず演奏してるような気がする

一人で歩くとタイトロープなのに
二人で歩くと散歩道になる
お二人には、気付けないくらい幸せな昼下がりを
数え切れないくらい過ごして欲しい

そして、大事な日に呼んでくれた事を
心から感謝します ありがとう おめでとう! 





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