隣人を知らない世の中で

隣人を知らない世の中で

えへへと下らないことをくっちゃべりながら演奏してると
色んな出会いがある
以前より演奏に遊びに来てくれてた人から
新しい人達との出会い 新しい演奏の場
緊張とわくわくが交差する不思議な時間であります

うちのすぐそばにミドリネコ舎という雑貨屋さんがあるのを知らなかった
店主はころころとよく表情の変わるかわいらしい人
お店にまつわる沢山の皆さんの御好意の下
初めてお店で生演奏の機会を頂くことに

打ち合わせに行って、雑貨買って帰った 俺バカ 誘惑に弱すぎ
告知の写真を撮っていただき、背筋がしゃんとした

機材は全部持ち込んで準備していたら
皆さんも黙々と場所作りに取り組んでいた
何しろ色々初めてのことだから
緊張感まるだし ヒリヒリして、よい

演奏は、はじめガッチガチ お客さんもガッチガチ
きっと私のガッチガチが伝染ったんだと思います 申し訳ない
1ステージ終わってから、何だかじわっといつもの感じに
素直にこれを聞いて欲しいと思った曲を
素直にやれた夜だった

雨は小さく降り積もって
窓ガラスが少し曇って綺麗だった
コーヒーの香りにうまく交じるにはどうしたらいいか
ぼーっと考えながら歌った

打ち上げではみんなで鍋をつっついた
前からあったサークルの飲み会のように和気あいあいだった
調子に乗って深酒
バカ話で盛り上がったり マジメに話してコーフンしてきたり
なんだか久しぶりの気持ちが沢山湧き上がってきて
楽しかった

いつも演奏ばっかりで忘れがちなこと
お客さんやスタッフの皆さんがいて、初めて成り立つこと
自分だけなら壁に唄ってりゃいい
隣人の顔も知らないなんて当たり前のこのご時世
こんな夜がどれだけ過ごせるだろうか

カラオケ行くぞーなんて元気な声を背中に
濡れたアスファルトを踏んで歩く
いつまでも散歩してたい気分やから
あすこの先でタバコとコーヒーを買おう

                       photo suiさん



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