嵐がやってきたが、それは優しい雨だった

嵐がやってきたが、それは優しい雨だった

「はい、じゃあEの7の+9を弾いてみて」
「9も足すんですか!」
「あのね、じゃあジミヘンのパープルヘイズのイントロ弾いてみて」
「はい!ジャンジャンジャ−ラッチャッツチャ−!(満面の笑みで)」
「…それね。」

初めてギター理論を人に習い始めて2回目
プロゴルファー猿の如く耳と度胸だけで乗り切ってきた演奏に
早くも鉄槌が下されている今日この頃
今回はテンションコードやら9thやらたーくさん教えてもらったが
private lodgeに着いたらもっこり忘れていた
先生、本当にすいません…

機材を搬入してウマウマホットサンドをにやにやしながら食べてると
bogalusaと久留米クルーが到着
軽い挨拶の後、すぐに準備にとりかかられていた
額には汗 必要最小限の会話のやりとり
知らない土地の知らない店で、あらかじめ「面白いよ!」なんて紹介されてる上で
本番前30分に準備をするテンションを想像しただけで頭が下がる
私もあまりくどくどと話さないようにした
本番がうまくいくように、結果が伴って楽しく帰って頂ける様に
前2週間は自分なりに動いたし、前座も頑張ろう
なーんてえらいおマジメな滑り出し

今回は熊本private lodgeさんの御好意で、通常営業中に演奏を
御飯をたべて、お酒を呑んで、
リラックスしたとても良い雰囲気
tinpeiはめくるめくbogalusaの演奏をまえにさらっと演奏
初めてのお客さんも楽しんでくれてるよう
皆さんの食事が落ち着くくらいの時間に終了した
一通り片付けをして、お客さんに変身

bogalusaのステージはお客参加型の楽しい空間
初めての人、音楽にうるさい人、みんなが楽しめる
懐の深い演奏だ
それにしてもものすごい熱気、鋭い笑顔、くるくるまわるMC
今、この時期にこのステージが観れたのは
神さんからのクリスマスプレゼントなんかもしれんなー
などどコーラを呑みながら踊ってると、あっというまに最後の曲になってしまった

セッションをさせて頂くことになり、冷や汗をかきながら準備
テッシンさんが手元を寄せて
「こうこうこう、このコードでブルースね」
…今日そのコード習ってさっき忘れたんですけど
なんてとても言えない
travellersとセッションした記憶、jazz nightにブッキングされた記憶
寒々とした過去の冬景色が頭上に広がる中
ウィルコジョンソンのようなバッキングで寒々と対応
両サイドをみればbogalusaさんはサッチモのイタコと化している
高校生の時にずっと練習していたサッチモのモノマネ
似ていない、てか誰かも分からん、と切ないリアクションに
あの日、泣きながら公園に埋めたあのモノマネ
私の中のプロゴルファー猿が
「今までそうやって生きつないできたやんか、このブタ!」
ちくしょう、おまいだって猿やないか…ぷっつん
そのとき、bogalusaの素敵な演奏をかきけすように
私のまったく似ていないサッチモ風のがなり声が鳴り響いたのであった
そして、その瞬間が今日一番bogalusaと話ができたと感じた瞬間なのであった

終わって和気あいあいとお片付け
帰るお客さんの足が重いのは、良いイベントだった証拠
次の演奏への緊張感を残して移動するテッシンさんとダイさんの背中をみて
私も頑張ろう、と素直におもった

終わってゆうくんぺとささやかな焼き鳥打ち上げ
久留米のお友達、熊本のお友達
無茶なスケジュールや無茶なお願いにいつも笑顔で対応してくれる
人の温かみに、ビールをいくら呑んでも冷えない夜



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